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【出演者】
本木雅弘、阿部寛、香川照之、竹下景子、
渡哲也 、石坂浩二、舘ひろし、藤本隆宏、
松たか子、菅野美穂、石原さとみ、高橋英樹、 米倉斉加年、江本明、加藤剛、江守徹、
竹中直人、尾上菊之助 、西田敏行、ほか |
【スタッフ】
原 作:司馬 遼太郎
脚 本:野沢 尚 ほか
制 作:西村 与志木 エグゼクティブ・プロデューサー
メインテーマ(第2部):森 麻季
音 楽:久石 譲
語 り:渡辺 謙
演 出:佐藤 幹夫 |
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【ドラマについて】
司馬遼太郎氏の代表作ともいえる長編小説「坂の上の雲」が、完結したのは 1972(昭和47)年とのことです。それ以来、あまたの映画やテレビの映像化の話が司馬さんのもとに持ち込まれました。無論、NHKのドラマの先輩たちもその一人でありました。しかし、司馬さんはこの作品だけは映像化を許さなかった、というように聞いています。
「坂の上の雲」が世に出てから40年近い歳月が流れました。そして、今でもこの作品の輝きは変わっていません。いや、むしろ現代の状況がもっとこの作品を しっかり読み解くことを要求しているのではないでしょうか。この40年の時代の流れを見るとCGを始めとする映像表現の進化は目覚ましいものがあり、世界 は新しい構図の中で動き、日本もこれからの方向性を模索しています。司馬さんのこの作品の映像化の封印は、今こそ解かれるべき時であると私たちは確信します。
栃木県佐野の戦車部隊で敗戦を迎えようとしていた司馬さんは、避難してくる人々を轢き殺して 戦車を進めよという隊長の言を聞き「国民を守るべき軍隊が国民を轢き殺して行けという。なぜ日本という国はこんな情けない国になってしまったのだろうか」 と想い、小説を志したそうです。
司馬さんが40歳代の全てを賭けた小説「坂の上の雲」の映像化は私たちにとって長い間の夢でした。その夢の実現に向けて、遥かな道へ力強く踏み出そうとしています。
【第2部 第7回 子規、逝く あらすじ】
1902(明治35)年5月、真之(本木雅弘)は海軍大学校に新たに設けられた戦術講座の初代教官となる。理論に裏打ちされた真之の戦術講義と具体性に富んだ兵棋演習に、海軍の先輩までもが聴講生として入ってくる。
高橋是清(西田敏行)と八代六郎(片岡鶴太郎)は、真之を華族女学校の活人画の催しに誘い出す。そこで八代は稲生季子(石原さとみ)を真之に紹介するが、真之は関心を示さない。ロシアから帰国した広瀬武夫(藤本隆宏)が海軍大学校に真之を訪ね、戦艦「朝日」に乗ることが決まったと告げる。
根岸の子規庵では、子規(香川照之)が病と闘いながら俳句会や「ほととぎす」の編集に精を出し、新聞「日本」に「病床六尺」を連載、「草花帖」も完成させていた。
大佐となっていた好古(阿部寛)は、清国駐屯軍司令官に就任。駐屯地で清国の直隷(ちょくれい)総督である袁世凱(薛勇)と出会い、酒をくみ交わして親交を深める。
久しぶりに子規を見舞った真之は、その衰えた姿に胸を痛め、看病する律(菅野美穂)の辛さを思いやる。9月18日、朝から具合の悪かった子規は辞世の句を詠み、その夜遅く息を引き取る。享年三十六。新聞で友の死を知った真之は葬儀には参列せず、遠くから葬列を見守る。
桂内閣の内務大臣として、財政面からロシア戦の準備を進めることになった児玉源太郎(高橋英樹)は、休職して那須で暮らす陸軍中将・乃木希典(柄本明)を訪れる。乃木は児玉から国の窮状を聞き、陸軍への復帰を決意する。
過労が重なり、胃腸を病んで入院した真之を季子が見舞った。同じように見舞いに訪れた律は、その様子を見てひそかに病室を後にする。
4か月後、真之は連合艦隊参謀として佐世保に赴任することになる。日露戦争まであと半年余りだった。
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