2000年2月12日。戦後の犯罪史上に刻まれた「グリコ・森永事件」の完全時効が成立する日。
読売新聞の記者・加藤讓(上川隆也)は、忸怩たる思いの中、時効を報ずる無念の原稿に向かっていた。
15年以上に渡って、この事件を追い続けてきた加藤。
そのすべての始まりが、1984年、江崎グリコ社長が誘拐され、現金10億円と金塊100キロを要求された事件だった…。
「かい人21面相」と名乗り、食品メーカーを次々に脅迫、
警察やメディアを挑発する挑戦状や企業への脅迫状を送りつけてきた犯人グループ。
事件を巡るメディアの報道合戦が過熱化するなか、
毎日新聞社は、“ハンター”と呼ばれた敏腕記者・吉山利嗣(池内博之)をグリコ事件の専従として投入してきた。
全くタイプは違うが、互いにライバルと認め合う加藤と吉山。
しかし、事件の展開は、「報道」に対するそれぞれのスタンスの違いを浮き彫りにしていく。
むやみに報道することで、企業を追い込み、犯人を利しているのではないかと悩む加藤。
記者が伝えることを躊躇すべきではないと考え、スクープに邁進する吉山…。
一方、大阪府警捜査一課・特殊班の辻刑事(眞島秀和)らは、犯人の現金奪取の動きを察知、
メディアだけでなく警察内部にも秘したまま、犯人逮捕への周到な準備を進めていた。
現金3億円を奪いに現れた若い男。
「犯人か!?」と色めきだった矢先、男は犯人が仕立てたダミーだったことが判明する。
多くの遺留品があるにも関わらず、その後捜査は難航。
やがて、犯人グループが丸大食品を恐喝していることをつかんだ警察は、現金受け渡しの現場に辻刑事ら特殊班を送り込む。
そこに現れたのは、鋭い眼光を放つ、「キツネ目」をした怪しい男だった…。 |