東京オリンピックの開催に日本中が沸いていた1964年。
長野県塩尻市に、ひとりの男の子が誕生した。彼の名は秋田泉一。幼少時はごく普通のぼんやりした男児だったが、小学生の時に、運動会の徒競走で一等賞に輝いたことで人生が一変する。一等賞がもたらす幸福感に、すっかりとりつかれてしまった泉一。
それ以降、絵画から書道、火起こしや大声コンテスト、鱒のつかみ取りに至るまで、ありとあらゆるジャンルで一等賞を獲りまくり、いつしか「塩尻の金メダル男」と呼ばれるまでになっていた。
ところが中学に入学すると、思わぬ落とし穴が……。
異性の事が気になり始め、集中力をかくようになったのだ。一等賞からすっかり見放された泉一は、高校で巻き返しを図るが、勉強もスポーツも上手くいかない…
それはめくるめく、七転び八起き人生のはじまりに過ぎなかった。
どうなっちゃうんだ泉一!?がんばれ泉一!? |