櫻木高校2年の百山桃子(新垣結衣)は、現実の恋よりも小説の中の恋に夢中な文学な文学少女だった。あの大事件が起きるまでは−。読書しながら下校する桃子の脳天を、野球部のエース・大嶋が放った暴投が直撃。優しく介抱してくれた大嶋に運命の一目惚れをしてしまうのだった!恋文を書いて気持ちを伝えようとする桃子。しかし、学内のヒーローだけに女子のライバルは多い。その時、ためらう彼女の耳に、校舎の屋上から絶叫が聞こえてきた。「我々は〜、どんな困難にも諦めず立ち向かわねばならない〜っ!」それは、応援団たったひとりの団員・龍太郎(永山絢斗)が叫ぶ団の訓示だった。桃子はその天の声に従い、大嶋への想いを貫くことを決意する。
大嶋を見守るため応援団に入部した桃子は、龍太郎から最低5人はいないと団が廃部になることを告げられ、団員探しに奔走する。やっとのことで集まったのは、金髪でパンク好きの元吹奏楽部員・譲二(柄本時生)、音痴な元合唱部員・晃(染谷将太)、モテたくて入団した元ウエイトリフティング部員・泰平(斎藤嘉樹)。翌日行われる野球部の試合に向け、ギリギリ5人の団員がそろったところで、龍太郎はこう提案する。「みんなが入団したのも百山のおかげだし・・・団長は百山で!」桃子は、満場一致で団長に任命されてしまった。
試合当日、気合を入れて目一杯オシャレをしてきた桃子。しかし、当の応援は散々なもので、強豪・不知火学園を相手に大嶋が好投を見せるも、あまりにヒドイ応援に足を引っ張られ、櫻木高校野球部は惨敗する。「サイテーの応援団」のレッテルまで貼られ、責任を感じてふさぎこむ桃子と龍太郎。さらに、彼らの耳に飛び込んできたのはなんとエース・大嶋の不知火学園への転校の知らせだった・・・。すっかりやる気を失くした桃子たちのもとに、突如現れた不審なオヤジ−第23代応援団長・柳原源蔵(内藤剛志)。不知火学園の打倒と応援団を立て直すため、櫻木高校応援団伝統のゴールデンウィーク合宿の話しを桃子たちに持ちかける。「でも、あの・・・」「よぉし、決まりだ!みんなで、レッツエンジョイ!」
軽い気持ちで合宿へ向かった彼らを待ち構えていたのは、コワモテの中年男4人と鬼の形相を見せる柳原。伝説の応援団OBとして知られる彼らは、不甲斐ない桃子たちを一から鍛え直し、耐えて忍ぶ”押忍”の精神を叩き込もうとしていたのだ!つらく厳しい猛特訓に弱音をあげ、脱走を試みる団員たち。しかし、彼らは次第に柳原たちの熱い想いを感じ、合宿最終日に行う、大団旗をかかげ険しい山道を練り歩く”団旗行軍”(だんきこうぐん)を、5人で協力して達成する。桃子たちは、その時、自分たちの中で何かが変わっていっていることを発見する。
学校生活に戻った桃子は、常に学ランに身を包み、団員たちとともに応援の精神を校内に広めようと努力する。しかし、応援団のことを冷ややかに見る野球部員や生徒たちからは、なかなか相手にされなかった・・・。
「想いが通じれば奇跡は起きる−」
そんな気持ちを胸に、団長として毅然とふるまう桃子。遂に、甲子園予選が始まる! 果たして、桃子団長率いる”へなちょこ応援団”の想いは奇跡を起こすことができるのか?そして、桃子の恋の行方は・・・!? |