戦後まもない東京。安城清二(江口洋介)は妻・多津(木村佳乃)の妊娠を機に警察官になる決意をする。レイテ島から奇跡的に生還した元陸軍少尉の早瀬(椎名桔平)らと厳しい訓練を受け、警察官になる清二。やがて長男の民雄を授かった清二は妻の希望もあり、駐在所勤務に。同期の早瀬は本庁の公安刑事となり、エリートの階段を登って行く。
しかし、駐在所近くの谷中天王寺の五重塔が放火心中で炎上した夜、清二は跨線橋からとつぜん身を投げて死んでしまう。
幼いながらも父親の自殺に疑惑を抱きながらも成長した民雄(吉岡秀隆)は、早瀬ら清二の警官仲間たちの援助もあり高校を卒業。民雄も父のような警察官になりたいと警察学校へ入る。が、時は1960年代後半、学生運動が華やかなりし頃。民雄は命令により北海道大学に入学させられ、警察のスパイとして潜入することになる。
赤軍派の革命運動を未然に潰してきた民雄だが、数多くの友人たちを裏切ってきた。そんな自分に耐えられなくなり、ついに民雄は精神を病んでしまう。
やがて体調も回復、療養中にであった看護師の堀米順子(貫地谷しほり)と結婚し子供も出来た民雄は、父・清二と同じ駐在所勤務の夢が叶うが、長年疑問を抱いていた父・清二の死の秘密に接近して行く。その秘密を解き明かすカギを握っていたのは、あの早瀬であった。
ところが、民雄は勤務中に殉職してしまう。覚せい剤中毒患者に撃たれたのだった。失意の息子・和也(伊藤英明)はそれでも、父にあこがれ警官になった。希望は父と同じ交番警官だったが、なんと辞令は、警視庁本庁内の汚職を告発するという任務、つまり上司の汚職を調査し密告する内部スパイだった。和也は現実から逃れるように研修中に出会った永見由香(栗山千明)との恋に夢中となる。だが任務の中では、皮肉にもターゲットである先輩刑事・加賀谷(佐藤浩市)から刑事のイロハを叩き込まれ、一人前の刑事として成長していく。しかし和也は、やがて加賀谷の汚職を暴き、非情なる任務を遂行するのだった。
時を経て、ある巨大な経済犯罪を挙げるための捜査中に正義と悪の一線を越え、逆に告発される和也。しかし和也は、窮地を脱する切り札として、警察内部にずっと隠蔽されていた祖父・清二、父・民雄の死に隠された秘密を、遂に明らかにするのだった!
祖父・清二、父・民雄の死に隠された真相とはいかなるものだったのか?
それが親子三代引き継がれた警官の血にどんな答えを出したのか? |